4日午前発表の7月の米雇用動態調査(JOLTS)では、非農業部門の求人件数が767万3000件となり、QUICK・ファクトセットがまとめた市場予想(810万件)を下回りました。米経済の減速で原油需要が伸び悩むとの見方が売りを誘い、中国の経済回復を巡る不透明感も原油相場の重荷となっております。政治的対立で原油生産が一部停止していたリビアでは、タンカーによる輸出再開の動きがあると伝わり、産油国からの供給が減るとの懸念が後退したことも原油先物の売りにつながっております。
原油価格
WTI原油は約70ドル/バレル、北海ブレント原油は約73ドル/バレルで推移しております。
原油相場
リビアでは、石油収入を管理する中央銀行の総裁人事を巡り、政治勢力が東西に分裂し対立が激化しました。東部勢力が石油の生産と輸出を停止したと報じられております。中東ではイスラエルと、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラやイスラム組織ハマスとの対立が続いております。
原油相場は、アフリカの産油国リビアで原油生産が一部停止したと伝わったことや、中東の地政学リスクが要因となり2週ぶりに反発しております。
為替相場は、8月28日~9月3日のTTSレート平均で26銭円安ドル高の146円40銭を付けました。
燃料油価格激変緩和措置の補助金額は、前週より数十銭の小幅な減額となり16円台に留まり、先週に続き20円割れとなりました。
今後の動向予想
先週にはOPECプラスが10月から日量18万バレル減産幅を縮小するとみられておりましたが、リビアでの石油生産の一部停止による相場の変動や需要見通しの弱さから、OPECプラス内に懸念が高まっております。OPECプラスのうちの8カ国は、日量220万バレルの自主減産を段階的に縮小する計画の一環として、10月に18万バレルの減産幅の縮小を予定していましたが、減産幅の縮小を延期することを検討しているとみられております。
直近では原油安・円高ドル安に振れておりますが、今後も中東の地政学リスクの高い状況は続く可能性が高い事、原油価格の下落による補助金の圧縮が続いており販売価格の大幅な値下がりには期待が難しい状況と予想します。
*動向に関する重要なお知らせ*
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