原油価格
WTI原油は約79ドル/バレル、北海ブレント原油は約83ドル/バレルで推移しております。
原油相場
米連邦準備制度理事会(FRB)高官の早期利下げに慎重な発言が伝わり、米国の高金利環境が続くとの見方に繋がりました。
米エネルギー情報局(EIA)の短期エネルギー見通しで、2024年と2025年の原油価格予想を4月の発表から原油生産量の増加を反映し下方修正したことなどで上値が重い展開となっております。
一方では、イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘休止を巡る協議は9日、合意に至らず終了したと伝わり、中東の地政学リスクは相場を支えております。
為替相場は、5月8日~14日のTTSレート平均で、34銭の円高ドル安の156円73銭を付けておりますが、円売りドル買い圧力は根強く、足元に掛けじわじわと円安ドル高が進んでいる状況です。
燃料油価格激変緩和措置の補助金額は、3週連続で減少し25円台となっております。
今後の動向予想
石油輸出国機構(OPEC)は14日に発表した月報で、2024年の世界石油需要が前年比で日量225万バレル、25年は日量185万バレルそれぞれ増えるとする従来見通しを据え置きました。
また、OPECはOPEC産原油の需要予測の公表を廃止し、OPECとロシアなどの非加盟産油国でつくる「OPECプラス」で生産する原油の需要予測に切り替えることも発表しました。
OPECプラスは6月1日に会合を開き、自主減産を今年下半期まで延長するかどうかを決めます。月報で「一定の下振れリスクはあるものの、年初から続く勢いは24年以降の世界経済成長にさらなる上振れの余地をもたらす可能性がある」と言及しました。
イラクのアブドゥルガニ石油相が12日、OPECによる自主減産へのコミットを表明し、原油市場の一段の安定に向けた取り組みで加盟国と協力する意向と述べていました。
カナダではブリティシュコロンビア州とアルバータ州のオイルサンド産業中心地近くで発生した山火事の消火活動が続けられており、オイルサンド産業の中心地であるフォート・マクマレーに迫っていることへの懸念やOPECの自主減産で需給がひっ迫するとの見方が強まりました。
現時点で操業への影響は報告されていませんが、カナダの日量330万バレルの生産能力が影響を受ける可能性が指摘され、原油先物価格が上昇しました。
米エネルギー情報局(EIA)のデータによると、5月10日終了週の米国の原油、ガソリン、留出油の在庫は精製活動と燃料需要の増加を反映して減少しました。
インフレ鈍化と需要拡大の兆しが原油相場を下支えしており、地政学的リスクも引き続き高まっていることからも原油先物価格は交錯しながら上昇していく予想です。
*動向に関する重要なお知らせ*
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