6月は、原油価格が上旬から中旬にかけて上がり続け下旬はやや下がった1か月となり
ました。
6月2日に開かれた石油輸出機構(OPEC)とロシアなど非加盟国の主要産油国でつくる
OPECプラスの閣僚会議は、ロシアの侵攻によるウクライナ紛争が長期化する中、各国
の増産要求に対し原油の追加増産で合意した。7月の増産幅を日量64万8千バレルとし
毎月43万2千バレルずつとしてきた従来の方針から拡大する。
資源大国ロシアによるウクライナへの侵攻により世界のインフレに拍車をかける。ロ
シアへの経済制裁強化、6月27日の先進7カ国(G7)会合では、ロシア産石油の価格に
上限を設ける案で合意した。ロシア産石油の供給減、米国のガソリン在庫が低く需給
のタイト感が懸念され、 WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート) 原油
先物が9日の取引で122ドル/バレルを超える高値を付けた。
また、円相場は1998年10月以来、約24年ぶりに一時136円台/ドルまで下落した。円安
が進んでおりさらなるコスト上昇に繋がっています。
一方国内では、政府は燃料価格の激変緩和措置として燃料油高騰対策補助金の上限補
助金額を4月28日より25円/Lから35円/Lに引き上げ、更に補助金額を超えたコストの
50%を支援することになりました(適用期間は2022年9月30日まで)。石油元売の価
格改定発表が、前週原油コスト比で8.50円/L下がり補助金38.40円/L適用(前週比で
2.10円/L減額)されたため6月30日から7月6日まで前週比6.40円/Lの値下げとなり
ました。
今後についてもロシアのウクライナへの侵攻長期化やロシア産石油禁輸国の代替え先
及び確保が不透明であること。更なる地政学リスクの高まり、円安水準が進んでいる
こと。米国のシェールオイル増産や産油国の増産には時間もかかることから依然とし
て需給は逼迫しやすい状況に変化はなく原油価格が高騰する可能性は否めない。7月
も依然高値水準で推移されると思われます。